一目置かれたい
こんにちは。
サエモンノ輔でござる。
皆さんは、「存在感がない」とか「周りからの扱いが軽い」なんてことで悩んだことはありませんか?
人からどういう風に見られているのかって、気にし過ぎもよくありませんが、大切な事ですよね。
周りから一目置かれると、自分のやりたい事が通りやすくなるのは事実ですから。
今日はそんな、人に一目置かれる方法についてのお話を。
主人公は竹中重治。
羽柴秀吉(後の豊臣秀吉)の参謀として活躍した人です。
一般的には竹中半兵衛の名前で有名ですよね。
彼を表現するならば、
「戦争マニア」
織田信長が攻め落とせずにいた城を、たった16人で乗っ取ってしまうほどの天才で、人生を戦争研究に捧げているようなところのある人物でした。
例えば戦場で使う馬。
「名馬に乗ると馬を惜しんで戦機を逃す」
といって、わざわざ貧相な馬に好んで乗ったそうです。
また、秀吉からこれまでの功績を評価され加増の話があったときも、
「そんな事は無用です。もし息子が自分の不覚悟を忘れて、殿は父にはこんなに懇意されていたのに、なぜ自分にはと恨みに思うような事になってはかえって災いを招きます。」
といって断ってしまう始末。
重治は、一事が万事この調子だったようで、物欲というものが抜け落ちているというか、生きる道を決めているというか…。
戦争研究のために日常があるような人だったようです。
そんな重治が息子に説いた話です。
ある日、幼い息子と合戦話していると、話が長くなり息子がふいに席を立ちます。
重治が怒って理由を尋ねると、
「小便に行ってきます」と。
これに重治はさらに激怒し、
「小便に立ちたくば、そのまま座敷で垂れ流せ。竹中の子は軍物語に聞き入って座敷を汚した。そう言われてこそ、我が家の面目がたつ。」
と言ったそうです。
すごいですね〜。
なかなか小便漏らしてまで聞け、という親はいませんよね。
しかしどうですか?
ここでもし、重治の言う通りに座敷で小便を漏らしていたら。
このエピソードは息子の武勇伝として語られ、親子2代に渡っての軍略家として名が残ったかもしれません。
一般的な価値観とは違ったとしても、ブレずに突き抜ける事。
これこそが人に強烈な印象を与え、周りから一目置かれる事に繋がるのではないでしょうか。
皆さんも、好きなことや得意なことを突き抜けてやってみてはどうでしょう?
人生が変わるかもしれませんよ。
ちなみに、小便を漏らさなかった重治の息子がどうなったか。
その後は父のいう通りに、小便を漏らしてまで軍物語を聞くようになった…のかはわかりませんが、関ヶ原の合戦では敵方大将を捕縛する大巧を挙げます。
しかし、息子は軍事よりも文才の方があったようで、豊臣秀吉の伝記や旅行記などを残して後世に名を残しました。
竹中 重治(たけなか・しげはる)
1544〜1579
織田家臣・羽柴秀吉(後の豊臣秀吉)の参謀として活躍し、実質的な軍事指担う。
黒田孝高とともに「両兵衛」と称される。
しかし、その軍功の逸話には後世の創作もあるとみられ、実像には謎が多い。
次回更新は12月11日の予定です。