暮らしの武将

暮らしや仕事に役立つ戦国武将の知恵やエピソードをご紹介いたします。

仕事の秘訣が知りたい

こんにちは。サエモンノ輔でござる。

今回も藤堂高虎式仕事術のご紹介です。
豊臣秀吉の弟・秀長に仕える事で、大仕事を任されるようになった高虎。秀長の死後は、秀吉、家康と天下人に仕えていきます。
特に家康からは江戸城の改築を任されるなど、全幅の信頼を得るようになり、外様大名でありながら家康の懐刀として活躍するようになります。

天下人にまで愛される高虎の仕事振りですが、そこにはそれなりのコツがあったようで、こんな逸話が残っています。

ある戦で前田家から高虎の陣へ使者が来た時の事。
使者が用事を済ませた帰りがけに合戦が始まってしましました。そこで使者も合戦に加わり、敵の首を一つ挙げます。高虎がその使者に「前田殿への手土産として持ち帰るがいい」と伝えると、使者はその言葉通りに首を持ち帰り、前田家の検分に入れますが、さしたる恩賞はもらえませんでした。
それを聞いた高虎は「老練な武士だったら『首は当家の数に入れられよ』と言って置いて帰っただろうに。そうすれば、こちらとしては使者の功績を記して首を前田の陣へ申し送ることになるし、前田としても藤堂の手前、それなりの恩賞をやらねばならなくなる。素直に首を持って帰ったために恩賞にもれたのは気の毒だが、当然の事でもあるのだよ。」と言ったそうです。

同じ成果なのに、評価が全然違うって事ありますよね?その違いって、意外とこういう事なのかもしれませんね。社会での立場や世間体みたいな物って、馬鹿に出来ない物です。
プレゼンや交渉事にこういう視点を加えてみてはいかがでしょう?

そんな高虎には仕事の流儀がありました。
それは「大切な事を考える時、その日の未明に起床し衣装を整えて、両刀を帯び、正座して思念を凝らすべし」というもの。
高虎曰く「帯を解いて寝そべってくつろいでいては、考えがあちこちに流れて、重大案件など思いつくものではない。」だそうです。
これ、おすすめです。
考え事をする時、ちょっと早起きをしたら、お気に入りの一着でおめかしして、普段は行かないホテルのラウンジやオシャレなカフェに行ってみて下さい。
いつもと違う閃きがあると思いますよ。


藤堂 高虎(とうどう・たかとら)
徳川家康の懐刀。その才能を非常に愛される。
家康臨終に際しては、死後もまた一緒にいられるようにと、日蓮宗から家康と同じ天台宗に改宗するものの、肝心の家康が神様となってしまったため、その死後に会えたかどうかは不明。

次回の更新予定は5月14日です。